神戸市で製造されたミネラルウォーターに化学物質の一部であるPFAS(ピーファス)が高濃度で検出されていたことが、2022年12月に厚生労働省からの情報提供によりわかりました。
この問題は、兵庫県明石市の市議、辻本達也さんが情報公開請求をしたことによって明らかとなっています。
私たちの身近な飲み物であるミネラルウォーター。果たしてどこのメーカーのものなのか、飲んでも大丈夫なのかとても気になりますよね。詳しく見ていきましょう。
神戸市のPFAS混入ミネラルウォーターはどのメーカー?
現時点では、こちらのメーカー名は明らかにされていません。
いつから、どれくらいの量が、どこに出荷されていたのかも、明らかになっていないようです。
ミネラルウォーターは食品衛生法上の「清涼飲料水」に位置づけられますが、PFASについては、食品に含まれる量の基準はありません。そのため、すぐに健康に影響があるとは言えず、法的には問題ではないため、情報の開示がされていないようです。
また、その後も2023年1月と6月に複数あるミネラルウォーターの原水を検査したところ、1リットル当たり94~310ナノグラムのPFASが検出され、商品のペットボトルからは100ナノグラム程度が検出されたといいます。
果たして本当に大丈夫なのでしょうか。
一方、水道法では目安の基準値があります。
国内においては、令和2年4月1日に「水質管理目標設定項目」として位置づけられ、
暫定目標値は「PFOS及びPFOAの量の和として50 ng/L以下」となっています。
東京都水道局より引用
今回の数値がその基準値を超えていたことを踏まえ、神戸市健康局の丸尾登・生活衛生担当部長は、法的には問題ではないが、PFASの摂取量を減らすべきとミネラルウォーターの製造メーカーに削減対応を求めたとのことです。
また、国に対して科学的根拠に基づく基準値の早期策定を求めています。
こちらの情報を公開請求した兵庫県明石市の市議、辻本達也議員も、食品衛生法上の対応の遅れを指摘しています。
同市によると、メーカー側はPFASを除去する活性炭フィルターを設置し対応した結果、2023年12月の検査では目標値以下に下がったのを確認したそうです。
【PFAS混入ミネラルウォーター】過去に飲んでいても大丈夫?
現在のところ、過去にPFAS混入ミネラルウォーターを長期にわたり飲んでいた場合、健康面に影響があると懸念されています。
これまで安全だと思って飲んでいたものが、実際のところ、汚染されていたものだとしたら身体にどんな影響があるのか、とても心配になりますよね。
日本では、水道水に含まれるPFASの残留量を1リットルあたり50ナノグラムに規制しておりますが、あくまで、これは暫定の目標値であり、「毎日2リットルの水を飲んでも問題ないレベル」とされているのが現状です。
WHO(世界保健機関)は、PFOA、PFOSの発がん性評価を引き上げており、PFOAに関しては、発がん性が最も高いグループに位置づけています。
PFASとの関連性を示す十分な証拠があるとされる健康リスクとして、以下のリスクがあげられています。
・脂質異常症
・発がん性
・乳児・胎児の発育の低下
・ホルモンの働きの妨げ
・免疫機能の低下 など
しかしながら、現在のところ日本については、指摘されている健康リスクは関連を示す証拠が不十分だとしていて、評価は定まっておりません。
そもそも、PFASとはどのような物質なのでしょうか。
PFASとは、世の中に存在する数千種類の有機フッ素化合物を総称してPFASと呼び、物質によって様々な性質を持っており、熱・薬品・紫外線に強く、水や油などの液体をはじくなど、様々な場面で活用されている物質です。
PFASの中でも、PFOS、PFOA、PFHXの3種類は、自然や人体の中で分解されにくく、体外に排出されにくい、また、健康に悪影響を与えやすいといった性質があることが指摘されています。
また、様々な製品の製造過程での使用時に、排水として放出されることがあり、河川や地下水に流れ込んだものが最終的に水道水やミネラルウォーターに混入してしまうこともあるそうです。
まとめ
今回は神戸市内で製造されたミネラルウォーターに、化学物質の一部であるPFAS(ピーファス)が高濃度で検出されていたことがわかったとして、どこのメーカーなのか、また、混入したミネラルウォーターを飲んでいても大丈夫なのかを詳しく見てきました。
残念ながら、現時点ではメーカー名は明らかにされていません。
PFASについては、食品に含まれる量の基準が定まっておらず、すぐに健康に影響があるとは言えず、法的には問題ではないため、情報の開示がされていないようです。
また、PFAS混入ミネラルウォーターを長期的に飲んでいた場合、健康面に影響があると懸念されています。
世界では、PFASとの関連性を示す十分な証拠があるとされる健康リスクとして、脂質異常症や発がん性などをあげており、基準値の早期策定が求められています。
今回は神戸市で製造されているミネラルウォーターが取り上げられましたが、他の地域で製造されているものは大丈夫なのか明らかになっていない為、消費者は不安な気持ちでいるでしょう。
一刻も早く、PFASの規制がされることを願います。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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